簡単!美味しい!初心者でもできる自家製あんこ
あんこを初めて作る前まで自分で作るのは難しそうと感じていた。実際、人が作って失敗するのを見たり、上手にできなかったという話を聞いたりもした。けれど、実際に作ってみたら思いの外簡単にあんこはできた。そして美味しかった。
世間には様々なあんこのレシピがあることを知った。あんこの作り方だけで一冊の本が出来上がっているのも見た。確かにそれらのレシピ通りに作れば美味しくてつやつやのあんこが炊けるだろう。しかし…如何せん私には面倒だった。渋抜きを何度もしたり、糖蜜を作ったり…同じように感じて結局手作りを諦め、スーパーで袋詰めのあんこを買っている人も多いのではないだろうか。私もそうだった。それならいっそ多少適当でも自分で作ってみて出来立ての美味しさを味わってみた方がいいのではないだろうか。このレシピがあんこ初心者の背中を押す助けになれば幸いである。
まずは小豆を鍋に優しく入れて水でさっと洗う。小豆は250gか300gのものが多いようだ。あんこはうちでは琺瑯鍋で炊いている。水は洗うときから浄水器を通した水、または気に入った水を使いたいものだ。
水を切ったらまずは一度だけあく抜きをする。最初はあく抜きせずに炊いていたが、胸焼けしたことがあったので一度だけあく抜きしたら、とても上品な味になり、それからは一度だけあく抜きするようになった。かぶるくらいより多めの水を入れて中火にかける。煮立ったらしばらくそのままにして汁に色がついたら火から下ろし小豆を笊にあける。水気を切ったらそのまま洗った鍋に戻して今度はかぶるくらいの水を入れてまた火にかける。煮立ったらごく弱火にする。
ここからはひたすら水が減って小豆が顔を出したらまた少し足す、の繰り返しだ。妻のじいちゃん(若い頃菓子職人だった)の口伝によると「豆はぶつぶつ煮る」ものらしい。お湯の中で踊らせてはいけない。ということはあまり水を多く足してはいけないのであって、豆が顔を出さないくらいと言ったらいいのだろうか。また火もごく弱くなくてはならないということだ。あんこは本来、ずっと近くで見守っているものなのだろう。しかし、私が炊くときは仕事をしながらである。なんとなく耳だけは台所の音に集中させておいて、ぶつぶついう音が大きくなってきたら走って様子を見に行く。まあこんな適当な炊き方でも結構美味しく仕上がるものだ。
1時間くらいこの工程を繰り返すとそろそろいいかなという感じになってくる。確かめ方は小豆をつまんで指で潰せるか、木べらで混ぜたとき固く当たるものがないか、食べてみて美味しいか、そんなところだ。良さそうなら、砂糖を計る。うちでは甜菜糖を使っている。量は小豆の90%くらいにしているが、これは好みだろう。計った砂糖を三回くらに分けて入れていく。妻は一回で入れてしまう。砂糖が溶け切ったら火を強め、木べらでかき混ぜる。砂糖を入れてからは焦げやすくなるので鍋底からしっかりとかき混ぜる。さらに熱い汁が飛び跳ねるので、軍手をするなり火傷に気をつけるのはもちろんのこと、服や近くに置いてあるものが汚れないように注意する。このあんこの作り方で一番難しいのがこの工程だろう。火にかけ過ぎるとパサパサした仕上がりになってしまう。目安としては木べらで底からかき混ぜたとき鍋底が見えること、かき混ぜていてあんこが木べらにまとわりつくような重みを感じることだ。私は以前よくジャムを煮ていたので、この感覚を掴むのは早かった。
さて、これでもう出来上がりである。火から下ろして、余熱で焦げないようしばらくかき混ぜる。好みで塩ひとつまみを加えても良い。どうだろうか。つやつやの美味しそうな粒あんが出来上がっただろうか。すり鉢で搗いた餅(以前のブログ記事)と一緒に食べたなら、それは至福のひと時だ。